人は学びと注がれる愛によって成長する

 私たちの世界は、どこに向かっているのでしょうか?やまない戦乱、自国や自分の利益獲得のみを主張して他者を排除することを公言する為政者。どこかがおかしくなっていると思いませんか。

 聖学院大学はキリスト教の説く愛の精神に基づき、グローバル化が進展する今日の社会の中で「主体性をもって他者に仕えることができる専門人」を育て世に送り出すことを目指しています。自分と異なる背景を有している人たちと共存していくことは自分にとって都合のよいことばかりではなく、それはときに痛みや不利益を伴うかもしれません。しかし、自分とは異なる属性や社会的背景をもつ他者を迎え入れる社会こそが、自らも受け入れられ幸せに生きられる社会といえるのではないでしょうか?一人ひとりが描く夢や私たちを取り巻く身近な課題について自ら考え、調べ、行動を通じて仮説を検証していく、これが大学の学びです。

全学共通科目群「聖学院エッセンシャルズ」

 私どもの大学では2025年度から全学共通科目群をリニューアルすることとなりました。「聖学院エッセンシャルズ」と名づけられた全学共通科目群は4つの学びの領域から構成されています。

 第1の領域は、聖学院大学の中で自分がどのように過ごせばよいのかを考える「聖学院大学論」、キリスト教主義大学ならでのキリスト教についての学びと世界の今を理解するための宗教学等に関する学びからなっています。また、第2の領域は、世界や他者と自律的に繋がるための「コミュニケーション・スキル」の学び、第3は、世界と社会・地域の課題解決に取り組む主体的な市民に必要な知識と実践力の獲得に向けた「シティズンシップ教育」であり、第4は「人間理解、社会科学、自然科学」の領域からなる基礎教養についての学びです。

 これら1年次から始まる「聖学院エッセンシャルズ」は、各学科の専門科目と連動して、基礎教育から専門教育へと大学での確かな思考力と表現力を養成するための総合的なカリキュラムとして構成されています。

 オープンキャンパスから始まる大学への誘い、そして入試を経て入学前準備学習へ、入学後は初年次教育・基礎教育から専門教育へ、またこれらと並行して一人ひとりの将来を共に考える4年間のキャリア支援教育があなたを待っています。
クラブ活動、ボランティア、インターンシップ、留学なども多様な学修の機会を用意しています。また、学内にあるエンカレッジセンター「フィリア」では、困りごとの相談から、やりたいことの実現まで、学生相互の交わりや成長を促します。

 「人は学びと共に、周りから注がれる愛によって成長する」と私は信じています。一人ひとりが、誰かによって覚えられ、支えられ、ときに厳しく指導されることを通じて、私たちの可能性は格段に伸びていくのです。「一人を愛し、一人を育む。」というメッセージを掲げ少人数教育を行っている本学には、真実を探求する学生と教員の営みがあり、真の愛を教えそれを実践している人々がいます。私どもと一緒に、この温かな交わりのある聖学院大学で学びませんか。在学生や教職員とともに、あなたが真の学問探究と交わりにつながってくださることを心から願っています。

PROFILE学長 小池 茂子

1962年7月生まれ



1987年3月|青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程修了【文学修士】

1993年3月|青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻博士後期課程単位取得済退学

2006年4月|聖学院大学基礎総合教育部講師

2008年4月|聖学院大学人間福祉学部准教授

2014年4月|聖学院大学人間福祉学部教授

2018年4月|聖学院大学人文学部教授(現在に至る)

2018~2019年度|聖学院大学学長補佐(キャリア担当)

2020年度|聖学院大学副学長(キャリア・教育改善担当、人文学部長代行(秋学期)

2021年度|聖学院大学副学長(キャリア・教育改善担当)。

2022年度|聖学院大学副学長(学生支援・教職担当)、人文学部長兼大学院文化総合学研究科長

2023年4月|聖学院大学学長、学校法人聖学院理事長