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お知らせ
講演会にはおよそ100名の学生が参加しました
2023年4月26日(水)にサステイナビリティ推進センターと政治経済学部の共催による公開講演会「サステイナブル・ファッション ~人と自然と衣服のつながり~」が開催されました。
この講演会は、FASHION REVOLUTION WEEK*の一環として実施したもので、サステイナブル・ファッションに関する活発な取り組みをされている一般社団法人unisteps の共同代表、鎌田安里紗氏を講師にお招きしました。また、講演会の後半には、鎌田氏と本学の学生によるトークセッションが行われ、学生の疑問を一緒に考える時間となりました。
* 毎年4月24日を含む一週間(2023年は4月22~29日)に設定されているファッション産業の問題を考える週間。世界各地で多くのイベントや啓発活動が行われている。
学生とのトークセッション
鎌田氏の講演では、ファッション産業の問題への関心が高まったバングラデシュのラナプラザ・ビルの崩壊事故が紹介され、この事故を機に世界中でファッション産業の様々な問題に疑問を投じる「Who made my clothes?(私の服は誰が作ったの?)」などのムーブメントが発展したことが説明されました。ファッション産業の具体的な問題として、不当な労働環境やサプライチェーンの問題、大量生産・消費による環境汚染などがあり、企業は利益を上げるために価格競争をするが、その皺寄せは現場の労働者が背負っている、という搾取の構図が指摘されました。近年はこうした問題への取り組みや技術の発展により、ファッション産業の構造的な問題が可視化されるようになってきてはいますが、問題解決には程遠い状況であることも報告されました。
また、鎌田氏から、私たちが今すぐにできるアクションとして、服がどのように作られたかを企業に問い合わせることや、服を長く着たり、着なくなった服を交換したりするなど、身近でできるサステイナブル・ファッションが紹介されました。鎌田氏は、服作りは多くの時間と人が関わり、環境への負荷も大きいものであり、消費者もそのプロセスをよく知ることが大切だと語られました。
講演会の後半には、鎌田氏と学生4人によるトークセッションが行われました。学生から出された「サステイナブル・ファッションに関する活動で、大学生ができることは?」という問いに対し、鎌田氏が「住んでいる町の行政における古着回収の状況を調べ、住んでいる町が古着を回収していなければ行政に古着の回収をお願いしてみる」と提案されるなど、活発な意見交換が行われました。
鎌田安里紗氏
鎌田氏は、服が作られるプロセスを多くの人に知ってもらうために、綿花の栽培から服作りまでを参加者自身が体験する「服のたね」というプロジェクトも行っています
トークセッションで意見を交わす学生
学生の質問に答える鎌田氏