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お知らせ
子ども教育学科
「教職実践演習(小)」の授業も8回目。今日の授業者(授業を担当する教員)は、小学校で教諭経験があります。聖学院大学では1年次から小学校教職課程の授業を担当し、「小学校教育実習」担当でもあります。学生たちの成長に伴走してきたこれまでを振り返り、自らの教諭時代を踏まえて伝えたいことを盛り込みました。
「小学校教育実習」を思い起こし、「すごい!」と感じた担任教諭の学級経営を、4月から自分ができるのか...不安を抱く学生たち。小学生にとって小学校の授業は、一日の多くを過ごす「居場所」。教師の役割は大きいです。
そこで、「教材をつくる/パネルシアター」をキーワードに、「授業で子どもとつながる学級経営」について考えました。手作りパネルシアター教材を授業で活用し子どもたちとつながるという内容は、授業者の実体験に基づいています。
小学校教諭時代の授業者は、一般的にはあまり小学校で生かされていなかったパネルシアターを、自身の強みとして授業に取り入れていました。ある研究授業では「道徳」の授業にもパネルシアターを活用。でもこのときは、道徳の勉強不足で大失敗。散々なものでした。
しかし、後に『学習指導要領解説 道徳』(1999年)に「低学年の資料提示としてパネルシアターが有効である」との文言が入り、この時の授業実践がきっかけの一つとなったと聞きました。(現在は「教材機能別分類表(小学校)」文部科学省2001年に記載されています)
授業後は、教材研究や教科指導を振り返り、試行錯誤を繰り返します。子どもに伝わる教材、子どもの関心を惹く教材、子どもの笑顔を引き出す教材...。教材を通して考えるのは、いつも子どもの姿。教材開発は、自ずと子どもを捉えることになりました。その甲斐あって、子どもたちが「わかりやすい」「楽しい」と授業を楽しみにする姿が生れました。保護者も授業を側面から支え、学級経営に協力してくれました。
教師の思いと教師の強みを生かした学級経営について考えるきっかけを提起し、「教職実践演習(小)」の授業を終えました。学生たちのリフレクションペーパーには、前向きな言葉があふれていました。一部を紹介します。
授業を受けて、自分の強みを生かしてPCで教材づくりをしたので、見て欲しいとの連絡が来ました。その教材には、子どもへの効果と教師としての思いも書かれていました。
この授業を通して、学級経営への不安の向こうに4月から出会う子どもたちの姿が浮かびましたか。今自分でやるべきことをやる、あと3か月でこんなことをやってみるなどと、前向きにそして希望を胸に教師への道を歩んでくれることでしょう。
「教職実践演習(小)」(15コマ)は小学校教職課程の最後の必修科目です。卒業を控え、教職課程で力をつけてきた歩みを「教職履修カルテ」を通して振り返り、既習事項を教育現場での活用を意識して深め、学んだあとに法令改正があった事項や新たに社会問題になっている事項を補い、小学校・特別支援学校の教員としてのはたらきに備えます。子ども教育学科では、毎年、その年の4年生の4年間を振り返り、必要な15コマ分の教授内容を吟味して授業計画を調整しています。