日本で福祉の最前線を学ぶ──「福祉」とはすべての人が幸せに活きることです。しかしそれを実現するためには周りの協力が必要な人もいます。心理福祉学科の学びは、支援が必要な人を幅広くサポートする力を育み、現代社会の様々な場面で活かすことができます。そしてそれは日本で生活をする同胞の力にもなるでしょう。
POINT
学びのポイント
人の心の問題と現代社会における福祉的課題について、心理学と福祉学の2つの分野から学びます。例えば周囲から孤立してしまったヤングケアラーに対して、心のケアだけでなく、支援制度の存在を知らせたり、学校への橋渡しを行ったりすることも大切な支援です。心理福祉学科での学びは、支援が必要な人を幅広くサポートできる力を育むことにより、現代社会の様々な場面で活かすことができます。
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学びのポイント
本学科では心理・福祉分野の国家資格取得を目指すことができます。資格取得を通じて日本でのキャリアを形成し、将来的には母国などにおいてもその専門性を活かすことができます。また、2024年度からスクールソーシャルワーク教育課程がスタート。学校をベースに子どもやその家族、地域と連携し、問題解決を図る専門職であるソーシャルワーカーを目指します。進路は学校に限らず、福祉施設や医療機関などに広がります。
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学びのポイント
本学科を卒業後、聖学院大学大学院心理福祉学研究科に進学することが可能です。(成績に応じて、内部推薦制度あり)2023年度公認心理師コースを修了、国家試験に挑んだ全員が合格し、合格率100%を達成しました!(全国平均73.8%)心理のスペシャリストとして、医療・教育・司法分野などでの活躍が期待されています。
聖学院大学 心理福祉学部心理福祉学科には、現在約50名の外国人留学生が在籍しています。今回は7名の留学生がどのような思いで心理学・福祉学を学んでいるのかをインタビューしました。これから受験を考えている留学生の方は、ぜひ参考にしてください。
心理福祉学科4年 オウ シカイ(中国出身/早稲田EDU日本語学校)
私の母国である中国でも、日本と同様に少子高齢化や不登校生徒の増加が課題となっています。弟が不登校だった経験から「人の心」について学びたいと思い、心理学が発展している日本で学ぶことを決めました。その中でも心理学と福祉学の両分野に触れ、幅広い視野を得ることができる聖学院大学に進学しました。入学当初の日本語の授業や日本人学生との交流が日本語力の向上につながり、大学2年次に日本語能力試験の「N1」を取得しました。授業では心理学や福祉学の基礎を学びながら、中でも「社会心理学」が印象に残っています。震災後の買い占め現象や人々の行動の背景を分析、状況判断や集団心理の重要性を理解することができました。将来は大学で学んだ心理福祉の分野を生かしたビジネス展開を目指し、近畿大学大学院への進学を予定しています。
大学進学を目指す留学生のみなさん、自分の好奇心を大切にし、多くの挑戦をしてください。聖学院大学にはそれを支える人や環境があります。私たちと一緒に学びましょう!
聖学院大学大学院 心理福祉学研究科2年
(中国出身 / 千代田国際語学院)
心理福祉学部心理福祉学科4年
(中国出身 / 飛鳥学院)
心理福祉学部心理福祉学科4年
(中国出身 / ARC東京日本語学校)
心理福祉学部心理福祉学科2年
(中国出身 / 育秀国際語学院)
心理福祉学部心理福祉学科2年
(中国出身 / 名進日本語学校)
心理福祉学部心理福祉学科1年
(インドネシア出身 / 東京国際大学付属日本語学校)
●「シングルマザーの家庭の問題に興味をもったことがきっかけで、専門学校の先生にも勧められ入学を決めました」 大学院 オウ ブンホウ ●「人の役に立ちたく、心理や福祉の知識を深めることができる学科を探していましたが、聖学院大学はその両方をバランスよく学べると思いました。また、少人数教育を大切にしているので日本語がまだ不慣れだった私でも安心して学びやすい環境が整っていました」 4年 テイ ブンイ ●「幼い頃から人の心に関心があり、困っている人の役に立ちたいと考えたからです。高校時代、周りの友人や家族の相談に乗る機会が多かったため、心理学や福祉学の知識があればより具体的にサポートできるのではと考えました」 4年 リ タクリュウ ●「中国で高校時代に心理学の授業を受け、人の心の仕組みや行動の理由に興味深さを感じました。知人からの勧めもあり、カリキュラムが実践的な聖学院でなら将来に必要な知識を得られると思いました」 2年 セン ウリン ●「心理学を学びたいという気持ちがあり、日本に来てから福祉にも興味を持つようになったため、心理と福祉が両方学べる聖学院大学が自分に合っていると感じました。また、学生10人ごとに担当の先生がつくアドバイザーグループは、他の大学にはないシステムだと思いました」 2年 ホウ ギョウヨウ ●「心理と福祉を両方学べる点に魅力を感じて入学しました。1年生では春学期に心理、秋学期に福祉を学んでいます。心理と福祉を両方学ぶ中で、精神保健福祉士に興味を持つきっかけとなり、生活に困っている人の支援をしたいと思うようになりました」 1年 メンディ エヴァルイサ
●「精神障害を持つ当事者でありながら施設で働くピア・スタッフが、自分らしい生き方を取り戻していくリカバリー志向について、実務者にインタビュー調査をしています。今はピア・スタッフの葛藤が消えていくプロセスについて研究をすすめています」 大学院 オウ ブンホウ ●「『高齢者福祉論』では、日本の医療や福祉がどのように高齢者を支える仕組みになっているのかを学び、高齢化社会における課題や解決策について考えています。事例を交えながら進められるためとてもわかりやすく、実際の現場で役立つ知識が身につくと感じています」 4年 テイ ブンイ ●「心理学や福祉学に関して、理論と実践を結びつけた学びによって実際に現場で役立つスキルや対象者のニーズを理解し応える力を身につけています。現在はLGBTの高齢者について、まだパートナーシップ制度が整っていない日本における介護などの生活課題を研究しています」 4年 リ タクリュウ ●「心理学概論や子ども家庭福祉論を中心に学んでいます。日本の法律や福祉政策の理解が難しいと感じることもありますが、社会福祉士を目指しているため、ソーシャルワークの視点や理論を学んでいます」 2年 セン ウリン ●「現在、基礎心理学と臨床心理学を学んでいます。心理学は難しいですが面白い分野だと思います。今後は臨床心理学の道に進みたいと考えていて、図書館での自習をしたり教授に質問しながら勉強しています。福祉の授業も、自分の視野が広げることができたため学ぶ価値がありました」 2年 ホウ ギョウヨウ ●「心理学概論という授業では、心理学の基本や歴史を学ぶことができ、先生もやさしく丁寧に教えてくれることが印象的でした。他にも精神的な病気や疾患などの知識について学ぶ授業が興味深かったです」 1年 メンディ エヴァルイサ
●「主に大学院生との交流は単位はすでに修得しているため、現在は修士論文の執筆を研究員の先輩からアドバイスをいただきながらすすめています」 大学院 オウ ブンホウ ●「授業ではグループディスカッションやプロジェクトがあり、異なる視点から意見交換することで互いの理解を深めています。授業以外では、文部科学省主催のホームステイイベントに参加したことがあり、日本の文化や日常の習慣への理解を深めるとともにホームステイ先の家族の皆さんと心温まる交流を持つことができました」 4年 テイ ブンイ ●「特に思い出に残っているのは、ダンスサークルのメンバーで集まって食事をしながら、ダンスや趣味について語り合ったことです。最初は緊張していましたが、お互いの趣味や日常の話をするうちに、自然と会話が弾むようになりました。地域活動支援センターでアルバイトをしているので、利用者の方とも交流があります」 4年 リ タクリュウ ●「実習に向けた授業で、日本人学生とディスカッションを通じて意見交換を行っています。ディスカッションでは異なる考え方や視点に触れることができるため、新たな発見があります。自分以外日本人学生という授業もあり、学んできた日本語と実際の日常会話の日本語の違い、省略語や敬語の難しさを感じますが、周囲の日本人は優しく、わからない言葉の意味を教えてくれます」 2年 セン ウリン ●「授業でのグループワークだけでなく、教授の紹介で日本心理学会や大学の研究会で発表し、交友関係が広がりました。日本人(特に女子)に対しては急に近づくと嫌われてしまうことがあるので、距離感を調整することが難しいと感じることがあります(笑)」 2年 ホウ ギョウヨウ ●「日本人のクラスメイトに分からないことを聞いたり、プライベートでは仲のよい友達と一緒に旅行に行っています。チーム留学生センターの日本人メンバーの学生と学園祭などで共同作業もしています」 1年 メンディ エヴァルイサ
●「ゼミの先生には大学院進学のサポートや、取材するためにピア・スタッフの方を紹介いただき、大変お世話になりました。授業料減免は毎年受けています」 大学院 オウ ブンホウ ●「奨学金や授業料の減免を受けており、そのおかげでアルバイトの時間を減らし、勉強に集中できるようになりました。ラーニングセンターではレポートの添削や英語と日本語のマンツーマンレッスンといったサポートが受けられるので、学業の理解を深められます」 4年 テイ ブンイ ●「毎年、授業料30%の減免を受けています」 4年 リ タクリュウ ●「授業料の減免を受けています。また、ラーニングセンターで悩みの相談の乗ってもらったりレポートの書き方についてのアドバイスを受けています」 2年 セン ウリン ●「留学生センターには、授業料の減免や在留カードの更新の際の必要書類の準備などでお世話になっています。どんな問題にも親切に対応してくれ、やさしい日本語で説明してくれたので1年生の時には大変助けられました」 2年 ホウ ギョウヨウ ●「成績や出席について努力した結果、授業料減免を受けることができました。留学生センターでは、在留カードの更新や減免制度、イベント情報などの案内をいつもしていただいています」 1年 メンディ エヴァルイサ
●「今は論文の執筆に集中していて、具体的な進路はまだ決まっていません。長く日本で暮らしたいので、将来についてじっくり考えていきたいと思います」 大学院 オウ ブンホウ ●「人の役に立つ仕事に就き、日本と母国の架け橋として活躍することです。心理福祉の分野で学んだ知識と経験を活かし、高齢者や弱い立場にある方々を支える仕事をしたいと考えています。また、日本で学んだ文化や価値観を母国にも伝え、両国の相互理解や交流を深める一助になりたいです。人々がより良い生活を送れるようサポートすることで、自分自身も成長し、社会に貢献できるような存在を目指しています」 4年 テイ ブンイ ●「ソーシャルワーカーとして、高齢者の支援に携わることです。高齢者の生活課題に対して適切なサポートを提供し、生活の質を上げる手助けをしたいと考えています。そのために資格取得を目指していて、大学院進学も考えています」 4年 リ タクリュウ ●「日本語能力試験N1に合格することと、会話力を向上させることがまずは目標です。日本で児童福祉の分野で働きたいと考えているので、最終的には社会福祉士の資格の取得を目指しています」 2年 セン ウリン ●「研究者として活動しながら、カウンセラーとしても働きたいと思っています。それを実現するには大学という環境が最適だと思ったため、大学教授を目指しています。そのためには、目の前の人を客観的に見る研究者の視点と、精神面を見るカウンセラーの視点の両方が必要になります。現在は公認心理師の資格取得カリキュラムを受けています」 2年 ホウ ギョウヨウ
●「受験するときは緊張すると思いますが、自分の準備してきたことをしっかりと発揮できれば心配することはありません。みなさんの成功をお祈りしています!」 大学院 オウ ブンホウ ●「受験生の皆さん、大学生活では新しいことを学んだり、いろいろな経験をしたりして、大きく成長することができます。私も、入学前は日本語や専門の勉強に不安がありましたが、大学でのサポートや友人との交流を通じて、少しずつ自信を持てるようになりました。大学では、勉強だけでなく、たくさんの新しい出会いや楽しい経験が待っています。自分の目標を信じて、焦らずに一歩ずつ進んでください。皆さんが成功することを心から応援しています!」 4年 テイ ブンイ ●「計画的に勉強を進め、自分に合った学習方法を見つけることが大切です。目標を明確にし、小さな達成感を積み重ねることでモチベーションを保ちましょう。そして、適度な休憩を取り、リフレッシュする時間も忘れずに。応援しています!」 4年 リ タクリュウ ●「挑戦や失敗を恐れず、最初の一歩を踏み出してほしいです!新しいことに取り組むことは勇気がいりますが、それは自分を成長させる大きな機会となります。新しい言語や文化に触れる良い機会でもあるので、頑張ってほしい!」 2年 セン ウリン ●「大学で最も重要なことは自分が本当にやりたいことや勉強したいことを早めに見つけることです。教授が手助けしてくれる環境で、迷わずに頑張ってほしい!」 2年 ホウ ギョウヨウ ●「入学試験に対しての不安はあると思いますが、志望動機をしっかり伝えればきっと合格できると思います!面接の先生もやさしい雰囲気なので緊張しすぎる必要はありません。サークルやイベントが充実しているので積極的に参加すれば楽しい大学生活が送れます。一緒に楽しみましょう!」 1年 メンディ エヴァルイサ
正規のカリキュラム以外にも日本語学習会を実施し、留学生のニーズに応じた日本語学習環境を整えています。日本語能力を伸ばすことは、学業面のみならず、人間関係を築くうえでも、自己肯定感や自己効力感を高めていくうえでも重要です。日本での就職を意識した日本語教育により、自身を持って社会へと歩みだせるよう、サポートします。
「留学生センター」は、外国人留学生が不安なく学業に取り組み、日常生活を送ることができるよう、日本での学生生活を支援する組織です。大学での学びや卒業後の支援に関する相談をはじめ、ビザの申請や授業料の免除、奨学金制度に関する問い合わせなどに対応しています、親身なスタッフが揃い、日本での生活の不安を解決できるよう体制を整えています。
「キャリアサポートセンター」では、企業採用担当者による留学生のための会社説明会など、年間を通じて豊富なプログラムを用意。日本で就職するための在留資格や様々な手続きのなども合わせ、留学生の就職活動をサポートしています。また、N1対策講座を行い、日本語能力の強化を図っています。