子ども教育学科は、児童学を基盤として、保育士資格と幼稚園・小学校・特別支援学校の教職課程を備えている学科です。どの教員も"子ども"に関する専門領域の教育・研究をしています。児童・生徒、そして保護者の皆様、子ども教育学科の出張講義を体験してみませんか。 造形教育研究をご専門とされる柴﨑 裕 先生から、東京都の小学校で行われた講義当日の様子が届きましたので、ここにご紹介します。
出張講義担当:柴﨑 裕 特任教授
2025年3月14日(金)荒川区立尾久西小学校3年生の出張講義・図画工作授業(鑑賞)「みんなの…能登の…作品からとどくもの」を行いました。
この授業では、尾久西小3年生の工作「きって くっつけて」の作品を鑑賞したあとに、2024年1月能登半島地震、9月集中豪雨で被害を受けた珠洲市の小学校、中学校の「きぼうのてプロジェクト能登」で取り組んだ写真作品を鑑賞する授業です。
初めてのこぎりを使った3年生が、切ってできた様々な木片を自分のイメージからボンドでつけて立体作品にしたものです。木片の組み合わせから、乗り物、動物、ロボットや花畑などを作り、それだけでなくそれぞれの場面を台の上に作り上げています。それぞれの作品をじっくり見ることから、作ったときのことを思い出しながら、見たものの感じを言葉や体の動きで表したりして、気づきを共有しました。
『ロボットのお友達』小3年
「みんなで、作品のななめに立つロボットになってみました。」
被災した珠洲市の子供たちが「希望の手」ってどんな手?…のテーマのもと、自分で撮影した写真作品を鑑賞しました。東京の図工専科の先生や、プロのカメラマンさんと一緒に授業を行い、一眼レフカメラをお借りして撮影しました。珠洲市小学3年生の作品は校庭の「朝顔と手」や、「手に乗せられた草の芽」、水道で見つけた「砂時計と手」の画像に題名を付けて、子ども達が思い描いた「希望」が表現されています。
『砂がおちるきれいな音』小3年
『めばえの手』小3年
鑑賞した尾久西小3年生は、映っているものの表情を細かく捉えて、ポーズを試したりしながらそれがどんな感じなのか…、どのような印象を受けるかについて活発な意見を出し合うことができました。「この題名をどう思う?」「本物の砂時計って、音が聞こえるかな?」「草の芽をもつ手と…言うけれど、これは「もって」いるんじゃない。芽を手のひらに乗せているんだ。だからやさしい感じがするんだよ。」
地震と集中豪雨でまだまだ復旧が進まない町で、子どもたちは学校に通い、授業を受け、作品を作り…日々を前向きに過ごしていること…東京の子どもたちがまず感じたことはそのことでした。
子ども教育学科では、高等学校・中学校・小学校・特別支援学校とその保護者を対象に、出張講義(無料)を行なっています。2025年度も継続いたしますので、ぜひ、ご活用下さい。